地方圏の生産緑地制度 導入の勧め(8)共同検討会を開く(2)

JAも積極的に関与を

昨年度JA全中が開催した共同検討会の成果として取りまとめた制度導入に向けた進め方のうち、後半の制度導入から運用についての概略を紹介する。

自治体が制度導入の方針を示した後も、自治体任せにするのではなく、正式な決定と運用に向けて、JAも積極的に関わっていくことが重要だ。

まず、先進自治体の視察など情報を収集しながら、制度の具体化に向けた検討を進める。その際、自治体とJAなどによる検討会の設置などを通して、継続的に協議や協力ができる関係を構築することが望ましい。

また、全市的な合意に基づき都市農地保全という施策を確実に実行していくために、都市農業振興地方計画や都市計画マスタープラン、あるいは緑の基本計画といった自治体計画に都市農地保全の方針を位置付けるよう、JAからも要請していくことが望ましい。

制度導入の正式決定後は、制度の運用開始に向けて、自治体と共に協力・支援体制を整備しつつ、農家向けの学習会などを通して制度の理解普及に努める。併せて、指定要件などを定める要綱を制定することになるが、都市農地保全や多様な機能の発揮の観点から、極力多くの農地が対象となり得る指定要
件とすることが望ましい。

これまで地方圏では、指定のハードルを上げる独自要件を設ける例が多いので、JAからの要請などの働き掛けが重要となる。

要綱制定後は、指定に向けた説明会などを通して、農家に対して制度を改めて周知する必要がある。当然自治体としても実施するが、JAも自治体と共催、あるいは自治体からの説明を補完して周知に努めることが大切だ。積極的な指定意向のある農家だけでなく、不安や躊躇がある農家に対してJAが相談に乗り支援することで、指定促進を図ることが望ましい。

さらに、指定された生産緑地については、適正に農地として管理され、有効に活用されるよう、JAがそのための支援や指導をすることで、都市農業振興や都市農地の多様な機能の発揮といった制度導入の成果を上げることが期待される。

(日本農業新聞 2021年5月26日掲載)