地方圏の生産緑地制度 導入の勧め(9)各種支援の活用

都市農業の進展に期待

前回と前々回、JA全中による共同検討会の成果の一部を紹介したが、「生産緑地制度をめぐる情勢と導入に向けたすすめ方」として、地方圏における生産緑地制度の導入促進に向けて、都市農業の概況から生産緑地制度の導入、運用開始までの進め方として、必要な各種資料をJA向けに一通り取りまとめている。

全中ではこの他、生産緑地制度をはじめとする関連制度を解説した「都市農業関連制度Q&A」という冊子も発行している。

また、JA全青協では、都市農業の活性化を重点実施事項の一つとし、昨年度の都市農業部会において、地方圏での生産緑地制度の導入が進んでいないことを踏まえ、「生産緑地制度導入に係る手引書」を作成した。

手引書では、生産緑地制度導入のポイントを2つ挙げている。
1つは要請内容の正当性とし、税制面の優遇を前面に押し出すのではなく、都市農業の多面的機能など町づくりにとって果たす役割など、正当性と合理性をもって要請することが重要だとしている。

もう1つは、農業者の熱心な地域活動とし、地域の祭りや食育活動などの青年部らしい活動を通して地域住民の理解を得て、生産緑地制度導入に向けてのサポーター獲得につなげることが大切だとしている。

さらに、生産緑地制度導入のステップとして、農業者自らが勉強会を重ねるなど、まずは自助努力が必要で、制度をよく理解した上で、JAと共に行政に対して粘り強く、行政と対峙(たいじ)することなく要請していくべきだとしている。

一方、農水省の「都市農業機能発揮支援事業」では、都市農業の多様な機能の発揮に関する取り組みを支援するために専門家の派遣などをしており、筆者もアドバイザーの一人として登録されている。全国農業会議所も同事業を受け、農地保全に係る啓発事業として、説明会などへの講師派遣をしている。

これらのさまざまな支援を活用しつつ、地方圏の各地で生産緑地制度導入の機運が高まり、制度導入の実現と都市農業振興が進展することを期待したい。

(日本農業新聞 2021年6月2日掲載)

以上で、連載は終了となります。